カルネ
６０年前ＦＩＣＣを設立したキャンパーにとって、世界共通のキャンピングカードを発行することは悲願だった。それから３０年たった１９６５年、ＦＩＣＣはＡＩＴ（国際旅行同盟）、ＦＩＡ（国際自動車連盟）と共同で国際キャンピングカード、通称カルネを発行した。
以来、カルネはＦＩＣＣの歴史とともに成長してきた。当初は台紙に毎年異なる色のシールを張る方式だったが、その後毎年発行するプラスチックカードに変わった。カルネに付帯するメリットも年々大きくなった。
第１に、カルネはキャンパーの国際的身分を保証する。
第２に、カルネの所有者とその家族はＦＩＣＣ世界大会に参加できる。
第３に、カルネには保証限度額２５０万スイスフラン（約２億円）の賠償責任保険が掛けられている。
第４に、カルネを提示すると契約キャンプ場で割引が受けられる。
第５に、外国のキャンプ場を利用する際、管理人にパスポートの代わりにカルネを預ければよい。
キャンプ場側にしても、カルネを持っているキャンパーを優遇するだけの理由がある。キャンパーはカルネに署名することによって、「キャンプ場のルールを守る。他人に迷惑をかけない。自然を大切にする」などを掲げたキャンパー憲章を守ることを誓うからである。要するに、カルネをもっているキャンパーは、キャンプ場にとって歓迎すべき「お客様」なのだ。
今年、カルネにまたひとつ新しいメリットが追加された。利用者がキャンプ場の利用代金を支払わないで帰ってしまった場合に、キャンプ場にたいして最高３週間までの未払い金が弁済されることになったのである。
まさに、カルネは世界のキャンパーとキャンプ場をひとつに結ぶシンボルである。
（日本オート・キャンプ協会 「キャンパーニュース」 1993年12月）