明けましておめでとうございます。
当協会が毎年刊行している『オートキャンプ白書』によると、オートキャンプ人口は2013年に増加に転じて以来毎年増え続け、2016年は830万人となりました。少子高齢化と人口減少という全般的な傾向のなかで増加を続けているのは、オートキャンプが今日広く国民的レジャーとして定着したことの証しと言えるでしょう。
それはオートキャンプが未知の土地を訪れ、自然のなかで家族の時間を共有し、地元の文化や住民との出会いと交流を楽しむなど、現代社会で人々が求めているニーズに多面的に応えるレジャーであるからにほかなりません。
最近では、日本の四季折々の豊かな自然と身近に接することができるオートキャンプを楽しむ訪日外国人も増えています。昨年6月にはイギリス人のグループが9台のレンタルキャンピングカーを連ねて日本各地を19日間周遊しました。今年は「オートキャンプツーリズムの推進」を旗印に、国内はもとより海外に向けてもオートキャンプの魅力を発信するとともに環境整備に取り組んでいきたいと思います。
このような背景のもと、当協会は創立50周年を迎える来年2019年に、第89回FICC世界オートキャンプ大会を福島県天栄村で開催します。FICC世界大会は世界中のキャンパーが国家、言語、民族の違いを超えて集まり、開催国の文化や伝統に触れ、キャンパーおよび地元住民との交流と親睦を深める平和の祭典です。このような世界大会を今日の日本で開催する意義において福島県にまさるところはないと言えるでしょう。
2011年東日本大震災が発生し、それに伴う津波と福島第一原子力発電所の事故は日本のみならず世界中を震撼させました。それから7年たった現在「フクシマ」は力強く復興しつつあります。その姿を世界中の人々に見てもらうとともに、地域の豊かな文化伝統に触れ、美しい自然を体験する機会を創り出すことは、福島のみならず全被災地のさらなる復興につながると確信しています。
このような「追い風」が吹いているオートキャンプ運動をさらに発展させるために、当協会は昨年「JAC東北」「JAC近畿」「JAC東海」を定款に定める支部として立ち上げました。各支部はそれぞれの地域でキャンプ大会と指導者講習会を開催するなど十分期待にこたえてくれました。現在「JAC 関東」「JAC北海道」「JAC中国」が立ち上げを準備しています。今年は各支部のもとで、それぞれの地域の条件とニーズに応える形で積極的に活動を展開してゆく所存です。
（日本オート・キャンプ協会「オートキャンプ」2018年1月）