［IＶ］
2008年8月、スイスのヒンターシュミッドリュッティにビリー・マイヤーを訪ねた。ちょうど『プレアデス/プレヤール人とのコンタクト記録』5分冊を訳し終えたタイミングでもあり、ビリーが浴室で倒れて頭を打ち重篤になったという話を側聞したこともあって、一度ビリー本人と会い、ついでに活動拠点の「セムヤーゼ・シルバー・スター・センター」も見ておきたいと思ったのである。はたしてセンターは近未来的な印象を振りまく名称とは裏腹に、のどかな農園といった風情だった。センターの敷地内にある木造2階建ての母屋の一室で、しばしビリーと歓談した。「歓談」といってもビリーが一方的に語り、私はひたすら耳を傾けるという恰好である。ビリーの穏やかな語り口と、淀みない饒舌があいまって、それは不思議と心地よい時間だった。ホテルに戻って、忘れないうちにビリーが話したことをせめて箇条書きにしておこうと思い立ち、メモ用紙に走り書きした。以下はその内容である。
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○良い哲学と悪い哲学がある。悪い哲学にも一片の真実はある。日本のオーム真理教も良い点はある。それらをすべて取り入れなければならない。 ○アリストテレスも古くない。真理を含んでいる限りで新しい。 ○精神の歴史と物質の歴史はレベルが違う。人間の精神は肉体に宿らなければ存在できず、そこで精神と物質が交差する。 ○物質のレベルにおいては、ダーヴィンの進化論は正しい。 ○精神はエネルギーだ。創造もエネルギーだ。 ○創造とはUniversalbewusstseinだ。 ○肉体が死ぬと意識と人格は消滅する。しかし精神は生き続け、次の人格に宿る。前の人格の記憶はない。しかし精神はSpeicherbankから経験を取り出す。 ○人間は強制してもだめだ。自分で考え、自発的に行動するのを待つしかない。 |